「負けんでよかった…」阪神の船出はいきなり総力戦ドロー

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120331-00000501-san-base


　（セ・リーグ、阪神５－５ＤｅＮＡ＝延長十回規定により引き分け、１回戦、１分、３０日、京セラドーム）「開幕戦は本当に何が起こるか分からない。いろいろあったけど負けんでよかった」。阪神の和田監督は力強い口調で振り返った。初采配（さいはい）の試合がいきなり延長戦。３時間５１分の熱戦の末に引き分けたものの、決して疲労の色をみせることはなかった。

　十回、ＤｅＮＡに勝ち越されながら、その裏に何とか柴田の犠飛で追いついた。故障のマートンを欠く得点力不足の打線だけに、若手の奮起なくしては戦えない。だからこそ、指揮官は「最後まであきらめない姿勢が出ていた」と評価した。

　ただ、誤算は藤川で逃げ切れなかった点だ。１点リードの九回、守護神にバトンを預けたところで、指揮官は自らマウンドに歩み寄って、「任せたぞ」と短い言葉をかけた。前任の真弓監督はマウンドには行かなかったが、「藤川のところで行くと決めていた」と和田監督。結果的には同点に追いつかれ、「（藤川は）気合が入りすぎたかな」と苦笑まじりに振り返ったが、指揮官が直接言葉をかけたのは厚い信頼の表れ。藤川は「まだ始まったばかり。これからしっかりやっていく」と気を引き締め直した。

　能見が六回に逆転を許し、ベンチのムードも沈んだ中で、七回に一気に代打攻勢をかけ、関本の３ランも生まれた。「きょうの引き分けはよしとしないと」と強調した和田監督。自ら掲げた「熱くなれ」のスローガンそのままの熱戦に、少しばかり充実感も漂わせた。（丸山和郎）